さて、多くの人の記憶のなかに、
スカイラインのイメージを浮かび上がらせるメロディーとして、いまだ強く残っている歌があります。
それがBUZZの「ケンとメリー〜愛と風のように〜」です。
この曲は、1972年、4代目スカイラインのキャンペーンソングとして、一斉に日本中を席巻しました。
この時期のキャンペーンでは、ケンとメリーという架空のカップルの
ロマンティックな物語が、スカイラインをめぐるドラマとして進行し、
そのことが60年代末から繰り広げられていたスカイラインのカップル層への目配せとして、
大きな効果を発揮することになったわけです。
スポーツセダンとしての知名度はこのことで最高潮に達し、
売上台数も歴代最高の64万台という記録を作り上げました。
このことは、単なる時代の流行物として片付けられるほど些細なことではなく、
その後のスカイラインのパブリックイメージをある種決定づけたキャンペーンとして、
後世まで語り継がれていくのです。
じっさい、映画やTVドラマなどで1970年代の風俗を表現しようとする際に
「ケンとメリー」のイメージで彩られた当時のスカイラインが頻繁に登場します。
現代に生きる大人たちが昭和30年代(70年代といってはいけない)の
日本の意匠に逆戻りしてしまうという
映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!モーレツオトナ帝国の逆襲」では、
まさしく「ケンとメリー」をバックに、スカイラインが走行しているシーンが登場するのです。